実績紹介

韓国MERS流行による、台湾旅行市場への影響

韓国への渡航がイエローシグナルに

ここ最近の韓国におけるMERS状況の悪化を鑑み、台湾政府外交部(日本の外務省に相当)は6月3日、韓国への渡航の警戒レベルについて、

  • ソウル:イエローシグナル(渡航の是非を検討してください)
  • ソウル以外:グレーシグナル(十分注意してください)

にそれぞれ引き上げられました。
台湾における海外渡航警戒レベルは日本同様全部で四段階あり(レッド→オレンジ→イエロー→グレー)、オレンジ以上の場合は旅行のキャンセル料が大幅に引き下げとなります。

台湾人はウイルスに対して非常に敏感!?

台湾では2003年に大流行したSARSにより、307人が発症、47人が死亡しました。この影響もあり、台湾の人はウイルスや放射線など「目に見えないもの」に対する恐怖心が非常に強い傾向があります。
2007年に日本で麻疹が流行した際、私が当時勤務していた日本観光協会台湾事務所には連日質問の電話が来ていたほか、旅行のキャンセルやマスコミの報道が良く見受けられたのを記憶しています。
今回のMERSについても、テレビや新聞などで毎日のように報道がなされている他、疾病管制署(保健所)ではガイドラインの策定や各地の対応病院の指定など早い段階での対応策が取られるなど、非常に高い関心を示していることが伺えます。

台湾の海外旅行市場へ与える影響

これらの状況により、もともと台湾から韓国へ旅行を計画していた人たちのキャンセルが続出し、その数は現時点で既に2-3,000件に上っています。ただし、前述の通り現時点では既定のキャンセル料が発生するため、完全なるキャンセルではなく目的地変更という形をとっている人が多くみられます。
これらの変更先としては、価格帯が大体同様(5日間で25,000台湾元前後)である東南アジア方面が主流ですが、その他日本への変更も一定数見られており、この傾向はMERSが沈静化するまでしばらく続くことが予想されます。
韓国政府も日本同様台湾で積極的な観光PRを行っていますが、いずれにせよ旅行は平和産業であり、そのことを常に念頭に置きつつプロモーションをしていかなければならないと改めて感じた次第です。
一刻も早くMERSが鎮静化される事を切に願います。

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